役割分担の曖昧さが組織を疲弊させる仕組み
「誰がやるか決まっていない仕事は、結局一番真面目な人がやる」という状況は、多くの中小企業で起きています。その人が辞めたとき、または体調を崩したとき、初めて問題の深刻さに気づく。組織の疲弊は、多くの場合、役割分担の曖昧さから始まります。
曖昧さが生まれる原因
中小企業では、創業期に「みんなで何でもやる」という文化が生まれることが多い。それ自体は悪いことではありませんが、会社が成長するにつれて、その文化が機能不全を起こすことがあります。
特に従業員が10名を超えたあたりから、「誰が何を担当しているか」が曖昧になりやすい。経営者が全部把握しようとすると、情報が経営者に集中しすぎて、現場が動けなくなります。
業務フローの可視化から始める
組織改善の最初のステップは、現在の業務フローを紙に書き出すことです。誰が何をしているか、どこで判断が止まっているか、どの業務が特定の人に集中しているか。これを可視化するだけで、問題の所在が明確になります。
可視化の作業は、経営者だけでなく、現場の担当者も交えて行うことが重要です。経営者が思っている業務の流れと、実際の現場の動きが異なっていることは珍しくありません。
役割を決めるときの注意点
役割分担を明確にする際に陥りやすい失敗は、「理想の組織図」を先に作ってしまうことです。現在の人員と能力に合わない役割を割り当てると、かえって混乱が生じます。
まず現状の業務量と人員を正確に把握し、その上で「誰が何を担当するか」を決める。その際、担当者本人が納得しているかどうかを確認することが、定着の条件です。
役割分担の見直しは、一度やれば終わりではありません。会社の規模や事業内容が変わるたびに、定期的に見直す習慣を持つことが大切です。